

Maxime
Chevalier-Boisvert

受賞理由/まつもとゆきひろ委員長より
Ruby3.1で採用されたYJITの作者です。自身の博士論文で提案されたLazy Basic Block Versioningという手法を適用して、従来JITコンパイルがあまり効果がなかったRuby on Railsアプリケーションの10%以上のパフォーマンス改善を達成させたことはコミュニティで大変話題になりました。
Author of the YJIT adopted in Ruby 3.1. The Ruby community is very grateful to her for improving more than 10% of the performance of Ruby on Rails application, where traditional JIT compilation was not very effective in the past, by using the Lazy Basic Block Versioning originally proposed in her PhD thesis.





Masataka Pocke
Kuwabara
受賞理由/まつもとゆきひろ委員長より
Ruby3.0では静的型が導入されましたが、それを支援する型情報は組み込みクラスのものしかありませんでした。Pockeさんは数多くのライブラリ(gem)の型情報の収集と補完を達成され、Rubyにおける現実的な静的型チェックの実現に貢献されました。
Static typing was introduced in Ruby 3.0. However, the only type information existing to support this was that of the built-in class. Pocke-san gathered type information of many libraries (gems) and completed them, thereby contributing greatly to a realistic check of static typing in Ruby.




羽角 均(Hitoshi Hasumi)
受賞理由/まつもとゆきひろ委員長より
マイクロコントローラでも動作するmruby/cはコンパイル機能を持たず、従来ホスト側のmrubyでバイナリコンパイルを送り、マイコンに転送してきました。羽角さんの開発したPicoRubyはマイコンでも動作する省メモリコンパイラで、この成果の応用で、自作キーボード上でRubyが動作するという偉業を達成されました。
mruby/c which is functional even in micro-controller does not have a compile function. In the past, a binary compile was sent by the host’s mruby which was then forwarded to the micro-controller. The PicoRuby developed by Hasumi-san is a ‘memory saving compiler’, and by putting its effects to use, he achieved the feat of running Ruby on a self-made keyboard.
Ruby Prize2021ノミネート者が決定しました
グランプリは以下の皆様の中から決定されます。

Maxime Chevalier-Boisvert
短期間でYJITを形にして性能向上を実現し、コミュニティに大きな影響を与えている。
She’s leading development of YJIT, which is a new JIT compiler built inside CRuby.

伊藤 浩⼀(Koichi Ito)
RuboCop core teamメンバーとして、継続的にRuboCopの開発に携わり、また、Rails / OSSパッチ会を主催し、Railsをはじめとするオープンソースにパッチを送る機会を創出している。

羽角 均(Hitoshi Hasumi)
組み込み向けのRuby処理系であるPicoRubyおよびその応用としてのキーボードファームウェアPRK Firmwareを開発し、組み込み分野におけるRubyの活用への貢献が顕著である。

江森 真由美(Mayumi Emori)
RailsGirls Japan のメンバーとして、女性をはじめとしてプログラミング未経験の方を対象としてワークショップやイベントの開催を企画し、Ruby の普及だけではなく、日本におけるプログラミングの普及活動に多大な貢献をした。

Sorah Fukumori
RubyKaigi Takeout 2021のバーチャル会場の構築・運用で中心的な役割を果たしている。
He plays a central role in the construction and operation of the virtual venue for RubyKaigi Takeout 2021.

Masataka Pocke Kuwabara
RBS本体を中心に、RBSに関する周辺ツールgem_rbs_collection, rbs_rails等の開発においても精力的に活動している。

tokujiros
Ruby で手軽にグラフィカルなプログラミングができる「RubySketch」 というCRuby(MRI)を組み込んだ iOS アプリをリリースし、クリエイティブコーディング等へのRuby利用を促している。
Ruby prize 2021 Special Interview
Yukihiro Matsumoto and Akihito Uesada
対談
Ruby City MATSUE
プロジェクトのこれから
Ruby Prize 2021 まつもとゆきひろ委員長×上定松江市長ショート対談
(司会進行/しまねOSS協議会 会長 井上 浩)


Ruby Prize 実行委員長
まつもと ゆきひろ

松江市長
上定 昭仁
Rubyコミュニティの個人賞「Ruby Prize 2021」
受賞者には副賞として松江市より賞金100万円。
ノミネート者の推薦おまちしています。
開催決定!! 推薦者募集中
「Ruby Prize」は新規にRubyコミュニティ活動に参加した人を正当に評価し、Rubyの普及と利用促進を図るため、2013年にRubyコミュニティの「新人賞」として創設されました。
2020年にはRubyコミュニティの「個人賞」に形を変え、今年度も引き続き、ここ数年で顕著な活動実績や功績を有する個人の顕彰を目的として「Ruby Prize2021」を開催します。
Ruby Prize 受賞者及び最終ノミネート者(1〜2名)は、2021年11月中旬にウェブサイトで公開します。
Ruby Prize 受賞者は、2021年12月に開催される「RubyWorld Conference 2021」にて、表彰と講演を行います。
なお、Ruby Prize 受賞者には副賞として松江市より賞金100万円を授与します。
ノミネート者は、一般の推薦で募集します。
対象は、Ruby コミュニティにおいて、ここ数年で顕著な活動実績や功績を有する個人のみとし、法人やグループは対象としません。
※推薦者1人につき複数名の推薦を可能とします。
※なお、過去のRuby Prize 受賞者については対象外とします。
※推薦期限:2021年10月10日(日)24時
Ruby Prize 2021の推薦を締め切りました。
たくさんの推薦をいただき、ありがとうございます。
頑張った人が報われる
環境の育成のため、
RubyPrizeを
よろしくお願いします。
RubyPrize 2021趣意書
Rubyはオープンソース・ソフトウェアとして世界中で使われるようになりましたが、ここまで発展してきたのはRubyを開発する人、Rubyを使う人、またRubyを広める人などから構成される「コミュニティ」のおかげです。志を同じくするものの集まりであるこのコミュニティはオープンソース・ソフトウェアが成長するために不可欠な存在です。
オープンソースコミュニティの参加者の多くは報酬もなく、ただ、技術的興味や好奇心などをモチベーションにして、非常な熱意でオープンソース・ソフトウェアの発展に貢献しています。このようなコミュニティを維持するためには、モチベーションの高い参加者の存在が欠かせません。Ruby Prizeは、そのような参加者を称えるため、ここ数年で顕著な活動実績や功績を有する「個人」を表彰するものです。
受賞者は、一般の推薦とRuby Prize 実行委員会の選考によって決定します。また、表彰はRubyWorld Conference 2021で行います。受賞者には副賞として、Ruby Prizeスポンサーとしてご協力いただく松江市から賞金が授与されます。
Rubyコミュニティの発展と、頑張った人が報われる環境の育成のため、Ruby Prizeをよろしくお願いします。
Ruby Prize 実行委員長 まつもと ゆきひろ